top of page
  • 執筆者の写真音まち千住の縁

とまってるのが嫌なの。タクシーだから。常に走っていたいの。|安喰 悦久

更新日:2019年12月2日



プロフィール

安喰 悦久|あぐい よしひさ

個人タクシー【安喰タクシー】運転手。千寿常東小学校「おやじの会」会長。 足立区に生まれ育ち、現在、柳原在住。 2013年10月に千寿常東小学校で開催されたシャボン玉を使ったプロジェクト 「メモリアルリバース千住2013常東」に、警備責任者として関わる。


ひとり親だから 息子が3年生だからね。夜の仕事が続くと、一晩中電話がかかって来るんだ。3日目には玄関で「踏み切りです」って言って両手を広げて立ちふさがったりね。だから、今は夜はタクシーやってません。おやじの会や千寿ガーディアンズ、そして「音まち千住の縁」……、いろんなことに関わるようになったのは、ひとり親だからだよ。3歳のときから息子を一人で育てていて、それがなかったら関わっていなかったと思う。

息子が保育園に通っているとき、母親が育児拒否しちゃったから、話し出すのが遅くて、思うように言葉が出ないから手が出ちゃう。すると周りのお母さんたちから「お母さんのいない子でしょ?」みたいなことを言われるじゃない。それがきっかけで、どんどん保育園へ行くようになった。常東小学校に入ったときにはおやじの会っていうのがあって、ぜひお父さん達と一緒に活動したいなと思って入ったんだ。


大学と小学校を結びたい そして、気がついたら「メモリバ」の警備責任者になっていたんだよね。校長先生からPTA会長にシャボン玉のイベントがある、と声がかかって、当時書記をやっていた僕にはPTA会長から話が来た。自分みたいなひとり親だと、子どもをあちこち連れていくこともできないし、近所でこういう、楽しめるイベントがあるのはいいよね、そう思って。いざ関わってみると、自分の子どもみたいな年齢の藝大生たちが一生懸命じゃない? 前向きで一生懸命やってる子を見ると胸を打たれるっていうか。

だけど、内容もまだまだ固まってないから、電大の学生が手伝いに来たって何をやったらいいかわからない。そういうのが多かったから、どんどん現場の親方になっていっちゃった。当日は会場整理で忙しくて、シャボン玉を見る暇がなかった。でも後で写真見るとさ、子どもたち、喜んでるよねえ。大人も子どもも、みんないい顔してる。写真見たとき、やってよかったなぁと思ったよ。

この前、常東小の土曜授業で、電大からロボット持って来て、ロボコンやったんだよね。この企画、俺が考えたんだ。息子と電大にロボコン見に行ったら、息子が夢中になっちゃったのがきっかけでさ。シャボン玉で知り合った電大の井筒先生に話したら、来てくれるって言うんで。大学と小学校を結びたい、というのはずっと思っていて。小学生も、自分の将来にはこういうのがあるんだってわかるわけじゃない。電大行ったらこういう世界がある、藝大行くとこういうことがあるってわかるじゃない。


若い人がまちに関わるということ 関わってみてわかったのは、「音まち」は一人ひとり楽しんでやってるんだなってこと。千住は古いまちだから、町の行事に関わっているのは、昔から住んでいる人が多い。千住で一人暮らしをはじめたばかりの子が、音まちを通して、そんな人たちと友達になれたら素晴らしいよね。音まちは千寿ガーディアンズとも関わっているんだから、引っ越してきてわずか 1 ヶ月で、「千住で夜回りしてるおじさんならみんな知ってるよ」みたいなこともあり得るわけじゃない。

越して来てすぐの人が周りの人に挨拶できるま ちにしたいよね。とまってるのが嫌なの。タクシーだから、常に走っていたいの。「今度ね」って後回しにするのが嫌で。それで壁にあたっても、おやじの会の吉川さんとかが助けてくれる。周りの人がいいよ。意外と周りにアイディア持ったおじさん、おばさん達がいるからね。


(インタビュー・執筆:舟橋左斗子)


閲覧数:35回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page