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  • 執筆者の写真音まち千住の縁

見てるより、やってるほうがずっと楽しい。|堀川 心

更新日:2019年10月6日


プロフィール

堀川 心|ほりかわ こころ (高校生/「フィリパピポ!!」出演)

足立区千住生まれ。千寿常東小学校、千寿桜堤中学校を経て、現在足立東高校1年生。ダンス部に所属。母や兄たちと一緒に、カトリック梅田教会に通うクリスチャン。

音まちでは「知らない路地の映画祭」で、役者、音声などを経験。2017年には「フィリパピポ!!」でショーをプロデュース。今冬も新しいショーを披露すべく準備中。


初めてショーをプロデュース


 3歳のころからずっとディズニーランドが好きで、前は親と行ってましたが、今は自分で行ってます。混んでますけど、そこは我慢(笑)。裏技もつかんでますから。絶叫系もアトラクション系も、ディズニーははずれがないです。僕はその中でも特に、ショーが好きです。

 小1のころからお母さんに連れられてカトリック梅田教会に通っていて、侍者(じしゃ)、簡単に言えば神父さんのアシスタントなんですが、やっていました。最初はお説教(※1)で言ってることの意味もわからないし、堅苦しいなあと思っていましたが、慣れたかな(笑)。からだを壊したりしたときを除いて、週に1回、ミサに出ています。洗礼も受けて信者なので、そうですね、心強いです。「神様はいつも見てくれているから」って言われ続けてきたので。自分ひとりのときでも、ひとりじゃないんだなと感じます。

 その教会に研究の一環で通ってきていた当時大学院生の森本菜穂さん(その後、音まちスタッフ)から、中学生のころ、数学と英語を教えてもらっていて、森本さんから誘われて、最初、映画(※2)に出ました。もともと映画に出たりしたいなって思ってたんですよ。それを知って森本さんが「出てみない?」って。それがすべての始まりです(笑)。

 その後、梅田教会に来ているフィリピンの方たちと開いたパーティー「フィリパピポ!!」(※3)のステージで、僕もショーをやらせてもらったんです。ディズニーのショーをたくさん見ていたので、いろいろ考えて準備して、それなりにいいショーができたんじゃないかと思います。森本さんが相談に乗ってくれて、藝大の1年生の人たちがダンサーとして協力してくれて、教会のジョバトくんたちがシンガーとして参加してくれて、衣裳をつくってくれた人もいて、その中心で僕が踊って。

 フィリピンの人たちってノリがいいじゃないですか。終わった後で「今日の出し物の中で、心のが一番楽しかった」って言ってもらえて、すごくうれしかったです。映画のときも、上映会の最後の舞台挨拶に呼ばれて、みんなに拍手してもらったりコメントもらって、「やってよかったなあ」って思いました。

 今年の「知らない路地の映画祭」では「右近博士のゴージャス装置」の続編を音声で手伝いました。1年ぶりに前の仲間と再集合できたのがうれしかったです。音まちの大人は、面白い方が多いですよね。映画「かくれんぼ」の監督さんとかすごく面白かった。音まちでは、ふだん周りにいない大人に会えますね。音まちは、お客さんより、やってるほうが楽しいです!

 そんな経験を通して、お客さんを笑顔にできるエンターテイナーになりたいなあと思うようになりました。お客さんが喜んでくれるのが、すごくうれしいんです!


人といるのが好き。

 小学生のころは、何となく生きてたって感じですね(笑)。普通に学校に行って勉強して、バスケが好きだったので友達と時々バスケして、帰って寝る、みたいな。ぼーっと生きてましたね。ショーやダンスのことは全然考えていなくて。今はダンス部に入っていて、将来ダンサーとかになりたいって思いますが、小学生のころは恥ずかしがりやだったりしたんで。

 中学のときは、茶道部と社会科部に入っていました。茶道部は仲の良い友達がいたのと、お茶も飲めるしいいかなと思って入ったけど、一期一会、人との出会いを大事にするってことを学んだりしました。そっからかな、人が好きになったのは。

勉強は嫌いです(笑)。昔から嫌いで。体育と音楽は得意なんですけど。でも高校は「エンカレッジスクール」っていう、小中学校の勉強もやり直させてくれて基礎的な学力をつけるという学校の教育方針が好きだなって思って選んで。ずっと面接や小論文を練習してきて自信があったので、推薦で落ちたときには岩が頭に当たったみたいなショックを受けました。私立も受けてなくて1本に絞っていたので危なかったんですが、一般入試で受かって入ることができました。

 同じ中学からこの高校に入った人は他にいなくて、誰も知らない人になっちゃったんですよ(笑)。高校に入って1からのスタートで、それが成功したというか。

今は、クラスも楽しいし、ダンス部も楽しい。文化祭でK-POPと洋楽を踊ったんですが、そのときも、「フィリパピポ!!」のときのように盛り上がってたし、女子ばかりの部活だったところに僕ら1年男子3人が入ったので、踊ってると「カッコイイ」って言われたりします。ダンスの大会が近いので、自分がうまくできなかったりするとちょっと嫌な気持ちになりますけど。あと最近、体験学習で演劇をとって「銀河鉄道の夜」の主人公をやりました。主人公だったので、最後のカーテンコールではすごく目立って。そういうことがあるたびにうれしいです。

 今好きなこと? そうですね、人といることかもしれない。話したり、ダンス見てもらったり、人と接することが好きです。だからダンサーにもなりたいけど、接客の仕事にも興味があります。

 2月16日(土)の「フィリパピポ!!」でもショーを企画していて、今度はヒップホップ系のダンスバトルを考えてるんです。ディズニーのショーも参考にしてるんですけど、かっこよくなると思う。盛り上がれるんじゃないかな。


早く自分でお金を稼ぎたい

 高校を卒業したら就職したいなって思ってるんです。大学は行ってもいいんだけど、もともと勉強があまり好きじゃないし、自分でお金を稼ぎたい、自立したいって気持ちがすごく大きくて。巣立ちをしたいし、ひとり暮らしもしたい。お母さんに世話かけてるなって思ってるので、迷惑かけたときとか、早く楽にしてあげたいなって思うんですよ。早く自分の稼いだお金で、親をどこかに連れていってあげたいなって。

 ひとり暮らしして自由になれるっていうのもあるけど、ふざけすぎるのは良くないなって思っているので、自分でルールとかつくってやっていこうと思っています。神父さんにチャーハンの作り方、教わりました。今度ピザの作り方も教えてくれるって。料理もいろいろ作れるようになりたいなって思っています。


(インタビュー・執筆:舟橋左斗子)


※1 聖書の解釈を口頭で説き明かすこと。

※2 2016年度の千住・縁レジデンス「知らない路地の映画祭」で、まちを舞台に制作された自主映画「かくれんぼ」に兄と出演。

※3 2017年に音まちの「イミグレーション・ミュージアム・東京」の一環として開催された「フィリピンからの、ひとりひとり マキララ ―知り、会い、踊る―」の一企画。フィリピンの方たちと、フィリピン料理を食べて踊ったノリノリのパーティー。


 

【2019年1月発行号掲載 ロングver.】

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