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  • 執筆者の写真音まち千住の縁

「移住と移民・多文化社会を考えるミュージアム」が足立区に出現するかもしれない…って本当!?答えはYES。

更新日:2020年11月18日


イラスト=山碕桜

※IMM主宰・岩井成昭によるコンセプトイメージ図です。実際の景観とは異なります。



あなたのすぐそばにいる「隣人」たち

彼らとの“出会いのかたち”をアートで模索するプロジェクト

それが「イミグレーション・ミュージアム・東京」

2020年8月、約3週間の期間限定で、西新井の大師前駅の駅前に臨時の「移住と移民・多文化社会を考えるミュージアム」が開館することが予定されている。その名も「イミグレーション・ミュージアム・東京 2020」。

 そもそも、「イミグレーション・ミュージアム・東京」(以下、「IMM」)とは2013年から足立区を拠点としているアートプロジェクトの名前。つまり、「ミュージアム」と言いつつ施設を持っていない。これまで、空き店舗や教会、古民家などを転々と移動しながら、そのとき限りの体験ができる展示やイベントを展開してきた。そしてついに、2020年の夏、ようやく「ミュージアム」としての姿をみせるのだ。

開館に向けて漕ぎ出した「IMM 2020」とはどんなものなのだろうか。



「イミグレーション・ミュージアム・東京」って何?

 「IMM」は、在留外国人の日本での日常生活のあり様に焦点をあててきた。

 在留外国人とは、日本に長く暮らしている「隣人」たちのことだ。実は、東京都には在留外国人がかなり多く、都道府県で最多数の56万人にものぼる。あなたの家の近くにも、学校や会社の中にも、在留外国人がいるかもしれない。

 確かに最近、コンビニや飲食店で働いている外国の人を見かけることが多くなった。毎日会っていると言っても過言ではない。「レジ袋は要りますか?」「いや、大丈夫です」「温めますか?」「はい」こんな会話を日々交わしながら、でも、その相手と知り合う機会は決して多いとは言えない。どんな暮らしをしているのだろう? 私たちの生活とは違うのか? どのような夢を見ているのか? こんなに身近にいるのにわからないのは、少し寂しくないだろうか。

 こうした異国にルーツを持つ「隣人」たちに出会うきっかけをつくるのが、「IMM」なのだ。

IMM東京 「普段着のできごと」(2015年度)

企画・監修=岩井成昭



でも、ミュージアムと言っても「博物館」ではない。「美術館」のほうだ。これまでも、民家の中に映像をちりばめてフィリピン人女性たちが語るライフヒストリーを観せる作品を展示したり、ダンスや料理などを楽しむ多国籍パーティーでエチオピア人やベトナム人がラップを披露したり、「IMM」の手法はとことん「アート」なのである。


IMM東京「フィリピンからの、ひとりひとり マキララ ―知り、会い、踊る―」(2016〜2018年度)

映像展示「Their history, to be our story」

構成・演出: 阿部初美

映像: 冨田了平

会場構成: 日本大学 佐藤慎也研究室



IMM東京「フィリピンからの、ひとりひとり マキララ ―知り、会い、踊る―」(2016〜2018年度)

パーティー「フィリパピポ!!」


「IMM 2020」の展示プログラム

 では一体、「IMM 2020」では、どんなアートがみられるのだろうか。現在プロジェクトチームが懸命に準備中だが、ちらっと構想をご紹介しよう。

 まず最初に目玉となるのが、活きのいいアーティストたちの作品展示である。旬のアーティストの作品は、多文化化する日本社会をどのように映しだすのだろうか。

 2つ目の挑戦が、「外国人アート作品公募展」だ。日本全国に暮らす、海外にルーツを持つ人が普段の生活の中で感じていることや関心のあることを表現している作品を、プロ・アマ問わずに募集して展示する。手の込んだ手芸品や、外国語の書道、日本文化と自国文化を混ぜ合わせたアート表現など、個々人の妄想が垣間見られる展示にしたい。

 3つ目の柱が、全国で多文化共生に取り組むNPOなどの「活動展示」だ。日本の内なる国際化の問題に鋭く切り込むトークも開催する。忘れてはならないのがこども向けのプログラム。楽しく遊びながら学べるワークショップから、アーティスト作品の対話型鑑賞プログラムまで、さまざまな体験が用意される予定である。

 この「IMM 2020」の主宰は、アーティストの岩井成昭。今まで多くの展覧会を手がけてきた岩井がシゲ館長を務める「IMM 2020」は、どのような風景をみせてくれるのだろうか。

岩井成昭(シゲ館長)


 次の夏休み、移住と移民・多文化社会を考える美術館「IMM 2020」で、文化と文化が織りなす多様な出来事について思いを巡らせてみてはどうだろう。

 まずは身近な外国ルーツのお友達に表現作品の応募を呼びかけよう!



執筆=IMM企画チーム 編集部 伊東茉南、楊天帥、楊淳婷

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