全13トラック・約40分のレコードには、千住の音が詰まっている。
2016年11月から活動を続けてきたタウンレコーダーたちは、これまで「つくる」ことに集中してきた。
自らお店と交渉してボッタの音を録ったり、まちなかで何人にもインタビューしたり、
自宅のベランダで
試行錯誤しながら周囲の音を録音してみたり。
初めて使う編集ソフトにも四苦八苦しながら、思いやこだわりをぎゅっと詰め込んで
数分ずつの音源をつくりあげた。
それがついに「音盤千住」という
レコードになった(非売品)。
「千住タウンレーベル」構想の背景にある
ディレクター・アサダワタルの頭の中は
次ページで覗いてみることにして……。
とにかく、
「音盤千住」の本領発揮はこれからだ。
この謎のレコードを
いかに使いこなすかというところに
本当の面白みがある。
タウンレコーダーたちは、
まちを素材に音で遊ぶ達人になりつつあるが、
今度はその遊びを
まちに「還して」いく。
日々の暮らしが、
「音」を通して少しだけ
色づいて感じられるような仕掛けを
たくさん考えていきたい。
千住タウンレーベルは、
今後も「つくる」試みを続けながら、
まちに「届ける」取り組み、
さらには遊び方、
楽しみ方を広げる活動を
いよいよスタートする。
音盤千住
公募で集まったタウンレコーダー(音の記者)たちが独自の関心のもと、まちを取材し、トラック(音作品)を制作した。
千住の変化にまつわる住民の思い、千住に残る芸能、市場や商店で鳴り響く商い声、変わらぬ食文化、路線が拡充してゆく鉄道の音、いずれ消えゆく場に立ち現れたかけがえのない人のつながりなど、さまざまなまちの「記憶/記録」が収録されている。
見開きのジャケットは冊子型で、テキストと音盤(LPレコード)が一体となっているのが特徴だ。初回プレスはたった100枚。
次の1年をかけて、誰とどこで聞こうか?ということをみんなで考えていく。
ディレクター:アサダワタル
アドバイザー:大城真(サウンド)、後藤寿和(デザイン)
グラフィックデザイン:Donny Grafiks
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